におい (殺りんファンへ20のお題)

いつも纏わり付いてきている筈の、あれがいない。
ふと、吹いた風。その花の香りの中に、あれの匂いが混ざっていた。
並木道を進みゆくと、木の上で、まるで自分自身が花になったかのように動かず、
枝にしっかと、留まっているものがあった。
「・・・何をしている」
新しい遊びか、とばかりに聞けば、ぷぅと、頬を膨らませて見下ろしてきた。
よくもそこまで膨らむものだと、不思議になる。
「遊びじゃないです・・・。あ、でも最初は遊びだったのかな。
とっても綺麗な梅だったから、殺生丸さまに持って行きたくて、
頑張って上ったのだけれど・・・」
降りれなくなったということか。
申し訳無さそうに、こちらを見てくる少女に、仕方なく、その体を引く。
「わぁっ?」
バランスを崩し、落ちてくる少女を受け止めた。
触れる少女の髪が、顔をくすぐる。
花の匂いの移ったその体は、そこに無いかのように軽く、
そして、予想だにしないほど、柔らかだった。
不思議な心地で、その存在を見やる。
すると、腕の中に落ちた少女はぼうっとに、己の目を見ていた。
交錯する瞳。
一時か、長時か。
分からぬ時間が過ぎる。
「・・・殺生丸さま、やっぱりあったかい」
呆けたように、だが、幸せそうに呟く少女。
その言葉でふと我に返り、その体を地面へ置いた。
あたたかいのは・・・
お前の方だ。
そう感じたことを、口にする筈も無く。
歩み去る背中に、少女は続いた。
梅の香り・・・
妖も惑わす、
甘い香りをたずさえて
↑互いに迫りあっているように見える・・・^^;ということで小話をつけてみました。
梅の木に登ったはいいけれど、降りれなくなったりんちゃんを、仕方なく降ろしてあげたら、ふいに見詰め合ってしまった一瞬。とか。
ってラブラブカップルじゃないんだからv いや、ラブラブカップルでいいのか?(^^)
梅の中シリーズその2でしたv
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